鼻高仙人 霊山寺

近畿大学農学部の文化祭をチラッと見た後、以前から何度も前の道や近くを通りかかり、気になっていた 奈良市中町にある真言宗大本山の寺院霊山寺(りょうせんじ.呼称りょうぜんじ・れいざんじ)へも行ってまいりました。駐車場も120台駐車可と広く、その駐車場では時折フリーマーケットが開催されることも・・・。この頃は11月初めなので、楓が色づき始めたばかりでしたが、今はかなり楓等の紅葉も見頃か?雨で落葉しているかと思います。
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大辯財天の朱塗りの大鳥居が、参拝者を出迎えてくれています。お寺なのに鳥居があるのは、神仏習合の名残で、神様も仏様も大切にする日本人らしさ?を顕しているようです。(かなり長い記事ですので、お時間のある時か・・関心のある方は、よければどうぞおつき合いください。)
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お寺の中にお風呂がある!?と聞いていたのですが、入ってすぐ左手に、仙人亭(お土産物屋とお食事処)とその奥に、こちらのお寺の由来とも言える薬師湯殿が・・・。そのまた裏山?にはゴルフ練習場までもがあるようですが・・・。
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その由来とは・・・HPより、霊山寺の所在する富雄の里は、古事記には「登美」で、日本書紀では「鳥見」の地となっているそうです。1300年余り昔の奈良時代、右大臣小野富人(遣隋使・小野妹子の息子と伝わり、通称が鼻高仙人)が壬申の乱に関与した為に、672(弘文元)年、官を辞して、登美山(とみさん)またはその奥の鼻高山(びこうさん)に閑居したそう・・・。それから684(天武12)年4月5日から21日間、熊野本宮に参籠し、この間に薬師如来を感得されて、登美山に薬草を栽培し薬草湯屋を建てられ、そこで薬師三尊仏を祀り、薬草風呂で諸人の病を治されたのが、こちらのお寺の始まりで、薬師湯に起源があったのでした。
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またお寺としての創建したのは・・・、728(神亀5)年には、流星が宮中に落下して大騒ぎになり、孝謙皇女が征中の病(ノイローゼ)にかかられた時に、聖武天皇の夢枕に鼻高仙人が現れて、湯屋の薬師如来を祈念すれば治るとのお告げで、すぐに行基菩薩が代参し、皇女の病が快癒したとか・・・。
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その為736(天平8)年、聖武天皇の勅命を受けて、行基菩薩が大堂等の伽藍を建立されたそうです。東大寺と同じくこちらでも、行基さんは人々の為に貢献されていたんだなと、ひっそり佇む行基菩薩像にも手を合わせました。ちなみにこちらにある行基菩薩像は、近鉄奈良駅の噴水の上にある像と赤膚焼の同じもので、一説には同じものが3体あるらしいのですが、もう1体がどこにあるのかは不明だそうで、霊山寺の七不思議に入っていました。
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また、印度婆羅門(インドバラモン)僧の菩提僊那が来日され、登美山の地相が、インドの霊鷲山(りょうじゅせん)にそっくり似ているということから、お寺の名称を霊山寺(りょうせんじ)と名づけられたとのこと。また、境内にはその菩提僊那のお墓もあるとか・・・。
そんな由来にある薬師湯には、もちろん聖武天皇も鳥狩りの折、また光明皇后も入湯されたと伝えられています。昭和57年に現代的な浴場に改築が行なわれてはいるけれど、風情ゆかしき歴史のあるところだなんて知らなかったので驚きました。
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そしてその昔、薬草湯で人々を救った小野富人(鼻高仙人)の心を、今も伝えるべく、アロエやどくだみにバラのエキスといった、薬草湯が楽しめるそうです。冬至の日に柚子(ゆず)風呂に入ると健康になれるそうで、12月22-24日は柚子風呂になるとか・・・。入湯料は、大人600円小人300円ですが、薬草だけでなく、霊泉(弱酸性緑ばん泉)も混入しており、鉄分が多く含まれるので良く温まり、疲労回復・更年期障害・リウマチ性疾患・慢性湿疹等に効能効果があるので、これからの季節には良さそうですし、次回は一度ゆっくり入ってみたいなと思います。
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山の方へ入っていくと、突然・・・八体仏霊場が出現し驚きました。生まれ年の干支(えと)と生まれた日の星座で、その12支と星座を組み合わせたお守り本尊は、人々の一生をお守り下さる開運、厄除けの仏さまとして広く親しまれているそうです。5年の歳月を経て平成3年に完成された新しい感じのするものですが、それぞれの人を守ってくださる守護の仏様が、一目瞭然に分かるご霊場のようです。少し前にたまごさんに教えてもらったのですが、ここへ来ると、自分を守ってくださる仏さまが、どんな方なのかがはっきりしていいかもしれません・・・。
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その八体仏霊場の上の階段を上がっていくと、天龍閣や聚楽殿という新しい雰囲気の宿坊(しゅくぼう.お寺内の宿泊施設)や、苔色がきれいな、風情のある庭園があり、旅館やホテルかと見間違えそうでした。
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その横の鳥居をくぐって石畳の階段を上がるか、左手(南)にある三重塔(重要文化財ですが、時間が無く今回は行けず・・・)を見ながら地蔵院へ向かうやや広い道をまっすぐ進み、竜神池のある隣の階段を上がると、本堂への階段が広がります。地図も見ないまま、歩いていたのですが、うまく導かれるようにたどり着けました。お寺とはいえ、宝山寺と同じく山全体がお寺の敷地となっているようなので(以前訪れた「大神神社 三輪山3」はご神体が山そのものなのですが・・)生駒山の宝山寺と同じように、ゆっくり周るにはとても広大で、いい運動にもなりそうです。
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竜神池があったり、竜の青銅が多いのは、どうやら・・・平安時代、弘法大師空海が来寺され、「登美山に力の強い神様がおられる」と感得され、奥の院に大辯財天女尊(弁天さん)として祀られたのが起因しているようです。またそれまで法相宗だった霊山寺ですが、弘法大師が真言宗を伝えられ、以後は法相宗と真言宗の2宗兼学のお寺にもなったとか・・・。
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また、鎌倉時代には北条時頼の帰依が厚く多くの寺領を下付けされ、1283(弘安6)年には、本堂の改築や伽藍の大修理が成されたそう。そして、豊臣秀吉公の社寺政策により、寺領百石も与えられ、徳川幕府に受け継がれてからも、御朱印寺として国家安泰と五穀豊穣そして幕府の武運長久を祈願し、寺勢21ヶ坊を数え栄えてきたそうです。



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ところが、明治維新の廃仏毀釈により、伽藍の規模は半減、200体以上の仏像が焼却すると云う悲劇の運命が・・・。それでも本尊の薬師如来のご加護と、弘法大師が勧請された大辯財天の霊験により復興し、今もなお国宝重要文化財建物6棟、重要文化財仏像宝物30余点を所蔵し、隆盛を保っているのだそうです。
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それら多くの重要文化財仏像宝物が安置されている建物自体も国宝の本堂では、この時偶然にも秘仏宝物展開催中(10月22日-11月13日)でした。本堂は、鎌倉時代の代表的建物で、1283(弘安6)年に改築後、昭和17年解体修理を行っているようですが、薬師寺の今年解体修理されている東塔(以前の記事東塔拝観 薬師寺もよければどうぞ。)とも同じような趣を感じました。
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本堂内の写真はありませんが、奈良時代や鎌倉時代から受け継がれている、時代ごとに異なる材質や造られた高度できめ細やかな技功が与える仏像の表情の違いや、仏様だけれどもその神々しさには驚きました。
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多くが重要文化財なのですが、中でも明治時代まで20年目毎に一度だけしか開扉されなかった秘仏の、本尊薬師如来坐像の表情や雰囲気と、桧材で80cmと小さな寄木造りながら存在感のある、地蔵菩薩立像は圧巻でした。よければHPの堂塔・宝物のご紹介でご覧いただけます。
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少し階段を下りると、本山寺社務所があり、御朱印がいただけます。その後、もう閉館されていたのですが、六福神像が外に、本尊には辯財天(ご本尊の弁天様はお堂の中に安置されており、全部で七福神ということです)のある本地仏聖観世音菩薩を祀り、脇侍に不動明王、毘沙門天を祀る大辯財天堂がありました・・・。
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また、その奥には昭和52年建立の、弘法大師勧請の福徳開運商売繁昌の大辯財天を本尊(こちらでも!?)とする、お堂の内外や屋根に金箔押を施した黄金殿(奥州平泉の金色堂・京都の金閣寺と並んで日本三金殿の一つ!?)や、大辯財天の大神通の霊感を受けられた円照尼と眷属大龍神を祀っている、こちらは屋根にプラチナの箔押を施した白金殿があるとのことでした。楓の紅葉や小菊や苔や大樹だけではなく、咲き終わりがけの芙蓉(ふよう)や秋桜(コスモス)や秋バラの花も、あちこちで見かけられた霊山寺での癒しのひとときでした。閉園時間!?が近づいて来たのですが、最後に入り口近くのより癒しのスポットへ続きます・・・。(かなり先・・・??)
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ブータンのジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王夫妻が、本日午前関西空港から帰国の途に就かれたそうです。国賓としての来日は、震災後お二人が初めてで、来日中の17日午後の衆院本会議場での演説では「2011年は国交樹立25周年に当たる。ブータン国民は特別な愛着を日本に抱いてきた。」と強調され、東日本大震災について「このような不幸から強く立ち上がることができる国があるとすれば、日本と日本国民だ。」と述べられたそうです。ブータンはヒマラヤの仏教国で、物質的な豊かさではなく、心の充実感を指標とする「国民総幸福量(GNH)」を重視し、その指標は90%を維持する幸福の国・・・。
被災地の福島県相馬市の小学校を訪問された時、子どもたちに向かって云われたお言葉は・・・。「(訳によって少し意味が変わるようですが) ブータンの国民は、皆心の中に龍を飼っています。その龍は(人格という名をいただき?)、多くの経験を積み重ねることで成長します。皆さんもそれぞれの心の龍を成長させて強くなっていってください。(時には暴れることもある。私たちはその龍をコントロールし、大きくしていこう。)」来年は、龍の年・・・。多くの経験により、ひと回りもふた回りも成長した子どもたちが、元気に強く生きていける世の中となりますように・・・。


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by tukimi-kai | 2011-11-20 04:09 | 奈良 | Trackback | Comments(4)
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Commented by Neneco at 2011-11-21 11:44 x
こんにちは^^
ここ数日ごとに、冷え込みも厳しくなってきましたね。
霊山寺、名前だけは聞いたことがあるような、、とても興味深く読ませていただきました。
お寺なのに鳥居がある・・不思議だけれど、自然のありとあらゆるものから神を見出し、畏敬の念をもち感謝してきた、古来からの日本らしいスタイルって気がします。
そして今回の記事がとてもタイムリーで!
私もブログにブータン国王夫妻の竜のお話を載せたところだったのですが、ほんと素晴らしいお話でしたよね。
それから昨日京都へ行ってきたのですが、特別拝観のお寺で聞いたお話の中で「廃仏毀釈」で失われた秘仏がたくさんあると・・
その中でも残った貴重なものを拝観して・・
歴史をいろいろと感じてきたところだったのです。
なので、出向いた場所は違えどなんだかうんうん、と思いながら読んでしまいました~
仏像ってとても美しいですよね。tukimi-kaiさんが「神々しさに驚いた」って言うのもわかります!
慈悲深い表情、無償の愛というのか・・全て受け入れてくるような、そんな大きなものを感じます。
私も大好きな仏像がいくつかあるのですが、ただずっと無心で眺めていたくなります。
Commented by Neneco at 2011-11-21 11:47 x
入りきらず、続きです・・
以前、NHKの『100分で名著』という番組で、ブッダの言葉をやっていたのですが、すごくいい内容で思わずメモを取りまくりだったのですが、
「執着を捨てる」という回がとても心にずしりときて・・
“自分勝手な世界をつくって
ものに執着するということが苦を生み出す。
それが無意味なこととわかったとき
苦しみも消える”と言っていて・・
仏像はどれもそんな苦しみから解き放たれたお顔をしているからなんだろうなぁと・・
興味深かったのは“自分自身がそもそも自分のものではない”今仮の姿の「私」でいるだけであって、実体がない、という・・
考えれば考えるほど、不思議です・・
が、お寺に行ったり、神社へ行くと、なんだかその世界が少し垣間見れる気がします。
それと霊山寺は山全体がお寺なのですね!
すごくいい場所ですね~
私も先日、大神神社、という、山そのものが御神体、という神社へ出かけてきたのですが、とても素晴らしくて・・
ただただ感謝の気持ちになってしまいました。
そういった気持ちになれるだけでありがたいことですね^^
Commented by Neneco at 2011-11-21 11:48 x
またも続きです^^;
こちらのお寺は、とても開かれているお寺って感じがして(入浴やホテルのような宿坊など!)歴史も感じつつ、楽しめそうな気がして
是非出向きたいと思いました!
いつもいつも長くなっちゃってすみません(自分の話も多くなったりと・・)
tukimi-kaiさん、今月末だったか、試験が控えているようなことおっしゃってたので、お体に気をつけて、のぞんでくださいね!
終わったら頑張った自分へぜひ、ご褒美を☆
陰ながら、応援しています~
Commented by tukimi-kai at 2011-11-21 21:45
Neneco さん、たくさんのコメントありがとうございます!!
本当に寒く冷え込むようになってきましたね・・・。
京都に行かれ、特別拝観されたり、
ブータン国王夫妻の竜のお話に感銘を受けられたり
(僧侶と共に祈りを捧げている姿は知らなかったし、
Nenecoさんの聞かれた訳の方が分かりやすかったかも・・・)、
仏像の持つ魅力が分かってもらえたり(私は最近なのですが・・・)
NHKの『100分で名著』の番組(時々見ており、
ブッダの言葉の「執着を捨てる」という回はもちろん!!)・・・・、
何だか関心ごとが似ておられて・・・、私も驚きと共感してもらえる喜びを感じています!
大神神社も前に記事にしたことがあり、懐かしいところですし、リンクさせておきますね。でも、一番好きな奈良のお寺は、長谷寺で、門前町や旅館街も風情がありますよ~。
試験は受かるかどうか分かりませんが、何とか頑張り楽しいクリスマス&年末を迎えたいです。応援いただきありがとうございます!!
Nenecoさんも、寒さに負けずお体大切になさってくださいね。


大好きな旅のように、      自分の人生=日々の暮らしをも楽しみたいです。


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