先週、秋の特別公開中の(10月10日をもって終了。次回は春もあるとか。)
生駒市門前町の寶山寺(ほうざんじ)の獅子閣(ししかく)へ行ってまいりました。
お寺に近い第一駐車場からは、生駒山中腹ならではの絶景が眺められ、気持ちがすがすがしくなり、小さな悩みも吹き飛びそう・・・。
「生駒の聖天さん」と呼ばれ古くから親しまれてきた寶山寺へ訪れたこの日は祝日でしたが・・・。
信仰深い参拝者の方たちだけが、静かにお参りされていて、
お正月の三ヶ日や行事のある日とは全く違うお寺の本来のお昼間の姿を見ることもできました。
そして、私たちもめずらしくお線香を焚いてゆっくりお詣りした後、獅子閣のある方へ・・・。
獅子閣は、建築後初めて平成17年から5年に及ぶ修復工事(総事業費は4億6300万円!)を経て、
2010(平成22年)昨年の平城京遷都1300年を記念して、一般公開が開始されました。
修復される前までは非公開で、茶会の待合に使用される程度だったとか・・・。
そしてこの獅子閣の建物は、宝山寺の客殿として明治時代を代表する寺院には珍しい洋風建築の一つで、重要文化財にも指定されているのだそう。
昨年獅子閣は特別公開時に訪れられず、残念に思っていましたが、今年も春と秋に特別公開され、また来年も公開されるよう・・・。
(ちなみに12月1日だけと思っていた"宝山寺の大根炊き"は生駒駅南のグリーンヒル生駒の3階で11月12日15:00-にも行なわれるよう・・・。)
過ごしやすく行楽のシーズンの春や秋の奈良では、東大寺ミュージアムのオープン(平成23年10月10日-)に、
興福寺国宝特別公開(三重塔初層と北円堂内陣)(10月8日(土)-11月23日(水))といった初めての事から、
毎年恒例の正倉院展(10月29日(土)~平成23年11月14日(月))や
昨年特別拝観できたお寺での、再拝観を予定されているところも多いよう・・・。
(長谷寺の本尊大観音尊像特別拝観ともみじ祭りは10月15日(土)-12月22日(日))
洋風建築そのものの外観とは裏腹に、中に入る(拝観料500円)と・・・。
明治を代表するかのような木造の洋風のリビングのような応接室に、
光沢のある漆喰の壁や立派な襖で仕切られた6畳の和室が2部屋と、
アーチ型の窓と色ガラスがはめ込まれたドアもあり、和モダンな雰囲気で不思議でした。
そしてそれは、同じ明治初期に完成した志賀直哉旧居を思い出す、タイムスリップしたかのような空間・・・。
志賀直哉旧居のような、その時代そのお宅に住んでおられた家族や集う人々を想像することはできないけれど、
この獅子閣にどんな方が泊まられていたのだろう・・・?と想像も膨らみました。
そして、1本の柱に組み込まれた木製のらせん階段(柱以外は総松造りで、
艶々の木造建築ならではの輝き!)を恐る恐るゆっくりと?ギシギシ!という音を立てて2階へ上がると・・・。
また立派な襖絵のある10畳の2部屋と、木造のベランダでは、1階で見た木々や中庭に高台から見下ろす風景とはまた違い、
天空にいるかのように広々と大和平野が眺め、寶山寺の破風の屋根が何層にも重なる寺院建築も一望できました・・・。
パンフレットより「獅子閣は、第14世乗空和尚の発願によるもので、明治8年の聖天堂再建の際に、
大工として働いていた越後出身の吉村松太郎の腕を見込み、すでに腹案として持っていた洋風客殿の建設のために、松太郎を横浜に留学させた。
3年間の研鑽を終えた松太郎は、現在本堂にある小社天神社の建立を命ぜられて改めてその腕のほどを認められ、
獅子閣建設の棟梁に任じられ、寶山寺出入りの大工や法隆寺・生駒・安堵・菜畑など近隣の大工とともに
建設に当たり、明治15年に上棟、同17(1884)年に落慶している。」と・・・。
宮大工として、寺院建築に関わられた吉村松太郎氏の得意とする、
床の間や欄間や格天井や漆喰壁に景色を楽しめる和の建築で、日本の本来の文化をも表現しながら・・・。
横浜で研鑽を繰り返し、その時代には新しかった洋風建築を試行錯誤で取り入れられた努力の成果が、
建築物として歴史的な価値を見せてくれているのだなと思いました。
明治初期にこの地を訪れた方々にとって、現実離れしたこの空間でのひとときは、
きっと意義ある事のように思ったりもしながら・・・庭園を通って寶山寺をあとに。
特別公開は終了してしまいましたが
「寺院に洋風建築を取り入れた擬洋風建築として注目を浴びた。
山寺に一体なぜこのような建物が百年以上も前に建てられたのであろうか。」
と題した昨年放映された『BS日テレ(「寳山寺獅子閣」の物語)』が分かり易かったのですが…。
よければ代わりに『歩く・なら』の「明治に建てられた客殿重要文化財・獅子閣の魅力」が
ありましたので、よければご覧いただければと思います。
生駒市門前町の寶山寺(ほうざんじ)の獅子閣(ししかく)へ行ってまいりました。
お寺に近い第一駐車場からは、生駒山中腹ならではの絶景が眺められ、気持ちがすがすがしくなり、小さな悩みも吹き飛びそう・・・。
「生駒の聖天さん」と呼ばれ古くから親しまれてきた寶山寺へ訪れたこの日は祝日でしたが・・・。
信仰深い参拝者の方たちだけが、静かにお参りされていて、
お正月の三ヶ日や行事のある日とは全く違うお寺の本来のお昼間の姿を見ることもできました。
そして、私たちもめずらしくお線香を焚いてゆっくりお詣りした後、獅子閣のある方へ・・・。
獅子閣は、建築後初めて平成17年から5年に及ぶ修復工事(総事業費は4億6300万円!)を経て、
2010(平成22年)昨年の平城京遷都1300年を記念して、一般公開が開始されました。
修復される前までは非公開で、茶会の待合に使用される程度だったとか・・・。
そしてこの獅子閣の建物は、宝山寺の客殿として明治時代を代表する寺院には珍しい洋風建築の一つで、重要文化財にも指定されているのだそう。
昨年獅子閣は特別公開時に訪れられず、残念に思っていましたが、今年も春と秋に特別公開され、また来年も公開されるよう・・・。
(ちなみに12月1日だけと思っていた"宝山寺の大根炊き"は生駒駅南のグリーンヒル生駒の3階で11月12日15:00-にも行なわれるよう・・・。)
過ごしやすく行楽のシーズンの春や秋の奈良では、東大寺ミュージアムのオープン(平成23年10月10日-)に、
興福寺国宝特別公開(三重塔初層と北円堂内陣)(10月8日(土)-11月23日(水))といった初めての事から、
毎年恒例の正倉院展(10月29日(土)~平成23年11月14日(月))や
昨年特別拝観できたお寺での、再拝観を予定されているところも多いよう・・・。
(長谷寺の本尊大観音尊像特別拝観ともみじ祭りは10月15日(土)-12月22日(日))
洋風建築そのものの外観とは裏腹に、中に入る(拝観料500円)と・・・。
明治を代表するかのような木造の洋風のリビングのような応接室に、
光沢のある漆喰の壁や立派な襖で仕切られた6畳の和室が2部屋と、
アーチ型の窓と色ガラスがはめ込まれたドアもあり、和モダンな雰囲気で不思議でした。
そしてそれは、同じ明治初期に完成した志賀直哉旧居を思い出す、タイムスリップしたかのような空間・・・。
志賀直哉旧居のような、その時代そのお宅に住んでおられた家族や集う人々を想像することはできないけれど、
この獅子閣にどんな方が泊まられていたのだろう・・・?と想像も膨らみました。
そして、1本の柱に組み込まれた木製のらせん階段(柱以外は総松造りで、
艶々の木造建築ならではの輝き!)を恐る恐るゆっくりと?ギシギシ!という音を立てて2階へ上がると・・・。
また立派な襖絵のある10畳の2部屋と、木造のベランダでは、1階で見た木々や中庭に高台から見下ろす風景とはまた違い、
天空にいるかのように広々と大和平野が眺め、寶山寺の破風の屋根が何層にも重なる寺院建築も一望できました・・・。
パンフレットより「獅子閣は、第14世乗空和尚の発願によるもので、明治8年の聖天堂再建の際に、
大工として働いていた越後出身の吉村松太郎の腕を見込み、すでに腹案として持っていた洋風客殿の建設のために、松太郎を横浜に留学させた。
3年間の研鑽を終えた松太郎は、現在本堂にある小社天神社の建立を命ぜられて改めてその腕のほどを認められ、
獅子閣建設の棟梁に任じられ、寶山寺出入りの大工や法隆寺・生駒・安堵・菜畑など近隣の大工とともに
建設に当たり、明治15年に上棟、同17(1884)年に落慶している。」と・・・。
宮大工として、寺院建築に関わられた吉村松太郎氏の得意とする、
床の間や欄間や格天井や漆喰壁に景色を楽しめる和の建築で、日本の本来の文化をも表現しながら・・・。
横浜で研鑽を繰り返し、その時代には新しかった洋風建築を試行錯誤で取り入れられた努力の成果が、
建築物として歴史的な価値を見せてくれているのだなと思いました。
明治初期にこの地を訪れた方々にとって、現実離れしたこの空間でのひとときは、
きっと意義ある事のように思ったりもしながら・・・庭園を通って寶山寺をあとに。
特別公開は終了してしまいましたが
「寺院に洋風建築を取り入れた擬洋風建築として注目を浴びた。
山寺に一体なぜこのような建物が百年以上も前に建てられたのであろうか。」
と題した昨年放映された『BS日テレ(「寳山寺獅子閣」の物語)』が分かり易かったのですが…。
よければ代わりに『歩く・なら』の「明治に建てられた客殿重要文化財・獅子閣の魅力」が
ありましたので、よければご覧いただければと思います。
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miyo
at 2011-10-24 14:23
x
レトロ建造物が昔から大好きで、
以前からこちらの獅子閣に興味を持っていたのですが
特別公開される時期に合わせて奈良へ伺うことが出来ず
臍を噛む思いでおりました。
なので、kimiさんのご紹介記事を読むことで
一緒に観光している気分を楽しませて頂きま~す。
以前からこちらの獅子閣に興味を持っていたのですが
特別公開される時期に合わせて奈良へ伺うことが出来ず
臍を噛む思いでおりました。
なので、kimiさんのご紹介記事を読むことで
一緒に観光している気分を楽しませて頂きま~す。
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tukimi-kai at 2011-10-24 19:14
miyoさんもレトロ建造物好きなんですね~!
私は世界遺産が好きになってから・・・、古いものの良さや
味わいやその時代のなんでも大切に長く使う生活や
貴重な道具に歴史や文化に?骨董品と・・・
年々関心がどんどん強くなってきています。
獅子閣はまた来年も春秋特別公開されると思いますし~。
また今年中に残りのサイパン旅行記も
アップする予定!?ですなので、ぜひ一緒に楽しんでくださ~い。
私は世界遺産が好きになってから・・・、古いものの良さや
味わいやその時代のなんでも大切に長く使う生活や
貴重な道具に歴史や文化に?骨董品と・・・
年々関心がどんどん強くなってきています。
獅子閣はまた来年も春秋特別公開されると思いますし~。
また今年中に残りのサイパン旅行記も
アップする予定!?ですなので、ぜひ一緒に楽しんでくださ~い。
by tukimi-kai
| 2011-10-22 00:02
| 奈良
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