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奈良

未来永劫 莫山先生

窓を開けると、どこからともなく秋風にのって、ほのかな金木犀(きんもくせい)の香りが漂って来ます。
香水の香りも好きだけれど…、四季折々の花や夏のイグサや海風など、季節に応じて感じる香りは、
何物にも代わらぬ、強すぎない自然の優しさが心地よいものです。

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我が家でも眼にも驚くばかりの、華やかな色合いのきれいな秋草(コスモス)が咲いてくれました。
夏前にいつもはゴーヤの苗をいただくのですが、
緑のカーテンをされるためか?今年はゴーヤが人気だったようで、我が家に来たコスモスの苗…。
忘れた頃にずんずん茎や葉を伸ばし、この季節を待っていたかのように、つぼみがたくさんでき、次々咲き続けてくれそうです。

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金木犀を鼻で香り、コスモスの鮮やかさを眼で見て…、今日耳に入ってきたのは哀しいお知らせでした。
バクザン先生の愛称で知られる日本の書家・作家である榊 莫山先生
(さかき ばくざん、榊 齊さかき はじむ、1926年2月1日 - 2010年10月3日)がお亡くなりになられました。
いつの頃からか、莫山先生の商品・商業ロゴやTV番組の題字などの文字に魅力を感じていました。
芋焼酎「よかいち」やそのCMなど、そのお人柄もほのぼのとしているけれど、
力強い仙人のような個性もあって、書にも表れているようでした。

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「三重県立上野高等学校、京都大学文学部卒業。
戦後、20代の頃から頭角をあらわし、頂点にまで上り詰めるも、33歳の時に書壇から退き、
以後は地元・伊賀の地で独自の世界を作り続けた。」「榊 莫山」(2010/10/6 )『ウィキペディア日本語版』

私がよくあちらこちらで先生の文字を目にしたのは、活動の拠点を故郷の三重におかれてからなんだなと思いました。
後日、夫の会社でも莫山先生の話題となり、三重県出身の上司は、高校の美術で莫山先生に習っていたとか…。

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改めて近畿地方にご縁のある方で、代表されるべき現代アーティストだったことを実感します。
お悔やみもかねて、ここ2.3年で撮影していた、莫山先生の書の写真を集めてみました。
上から高速餅つきで度々TVや雑誌でも取り上げられている、
奈良の名物?ヨモギもちで有名な中谷堂さん
奈良の大仏で有名な世界遺産 東大寺の石碑→




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そして最後は西国三十三ヵ所第八番札所(本尊は十一面観音)で、いつ詣っても季節の花が楽しめ、
"花のお寺"と称され、「ぼたんまつり」でも有名な桜井市の長谷寺のロゴ。

今年のお正月に足元や頭上の行灯に、「長谷寺」と「献燈」の可愛いい文字を発見しました。
(お正月の三が日には拝観料や駐車場代が無料になります。)

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また奈良を代表する奈良晒を営む、創業294年(2016年には創業300周年)の老舗の中川政七商店
展開するブランド 遊中川(ゆうなかがわ・本店はならまちにあります)のロゴや、安倍の文殊院の石碑も…!?

莫山先生の書かれた書のロゴを見つけるだけで癒されたり、
歴史の固く重々しい雰囲気から、芸術的なセンスや親近感を感じさせてくれます。
そしてこれから先、いつまでも長い年月、未来永劫(みらいえいごう)…その残された書やロゴは、生き続けるものだと願っています。

莫山先生のご冥福をお祈りします。
皆様もよければどこかで、莫山先生の書にお目にかかれますように・・・。
by tukimi-kai | 2010-10-06 19:29 | 奈良 | Comments(0)

大好きな旅のように、      自分の人生=日々の暮らしをも楽しみたいです。


by tukimi-kai
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